2022/10/14

Ryzen Threadripper 3970XとRTX 3090の消費電力を制限してワットパフォーマンスを上げる

 TR 3970X (TDP=280W)の性能には満足していましたがRTX 3090(TGP=350W)を買ってからシステムの最大電力が630W越えになってしまい、フルパワーで回すと流石に夏場は暑いし電気代も高いので消費電力を制限してワットパフォーマンスを改善してみました。


環境


CPU:Ryzen Threadripper 3970X

GPU:RTX 3090(ASUS TUF-RTX3090-24G-GAMING)

使用マザー:MSI TRX40 PRO WIFI

BIOSバージョン:2022-05-24 7C60v28 (E7C60AMS.280、Build 05/17/2022)


Ryzen Threadripper 3970XのPPT設定(BIOS)


AMD Ryzen Masterでも電力制限は出来ますが、Windowsが起動した後じゃないと効かないのと自動設定もできないのでBIOSで絞りました。

Precision Boost Overdriveを[Advanced]に設定してPBO Limitsを[Manual]にすると、PPT Limit / TDC Limit / EDC Limit の3つがマニュアル設定できるようになります。

3970Xの定格値は280W/215A/300Aなので、140W/215A/300Aに設定しました。5700Gとか5950XはTDPよりもPPTが高めの定格設定ですが、ThreadripperはTDP=PPTの設定なので分かりやすいですね。3970Xは電力を半分の140Wまで絞ってもシングルスレッドの性能はほぼ変わらず、マルチスレッド性能が20%減程度のようです。(180Wだと10%減で済みます。140-180Wぐらいが3970Xのスイートスポットなのでしょうか)

参考:Threadripper 3970X mit 180W im Test: Auch mit 100 Watt weniger TDP weit vor der Konkurrenz


RTX 3090 のTGP設定(MSI Afterburner)


VBIOSの設定は簡単には変更できないので、Windows上で動作するツール(MSI Afterburner)から設定します。

消費電力ではなく割合の設定で分かりづらいですが、POWER LIMITを%で指定後に適用して保存し、Windows起動時に自動反映するように設定します。

GPUのピーク電力の測定が難しくて正確なベンチ取れていませんが、100%設定だとピーク電力が大きくTGP350Wよりもサバ読んでる感じなのが、少し絞るだけで電力枠の設定を守ろうとするのかピークの上がり方が大人しくなります。


ワットパフォーマンスが改善


CPUとGPU合計で630W超の状態から200W以上削減して、ワットパフォーマンスが大幅に改善できました。最近のCPU/GPUはピーク性能で勝つために電力を盛り気味な設定なので、少し性能を抑えるだけでも消費電力を大幅に減らすことができます。

定格範囲内の消費電力の調整は電圧やクロックの追い込み不要で簡単に設定できるので、冬場で暖房が必要なレベルまで寒くなったら100%に戻してみます。