2017/03/28

ニンテンドースイッチの音声がノイズっぽいけど初期不良ではなさそう+対策と解決

なんだかノイズっぽい?

ニンテンドースイッチをなんとか発売日に購入し、日々ゼル伝を楽しく遊んでいた訳ですが、何だかアナログ音声出力がノイズっぽい気がしてました。


ノイズ自体は(ゲームボーイ系でよくあった)スピーカーで聴く分には問題ないけどイヤホンで聴くと微妙に気になる程度のノイズです。
体感的にはドックの接続中にのみ(ボリュームが無音でも)ノイズが聞こえるのと、ホーム画面中はノイズが減る気がします。



使用環境

 ヘッドホン:オーディオテクニカ ATH-A2000X(42Ω、101dB/mW)
 モニタ:EIZO CX271
 電源:本体付属品


初期不良?

別のスイッチ(別店舗から購入された本体含めて別の環境一式)に同じヘッドホンを接続して確認してみましたが、特に挙動は変わりませんでした。
 サンプルが2台しかありませんが、特に私のスイッチ固有の現象(≒初期不良)では無さそうです。


検証開始

初期不良では無さそうなので、早速スイッチのボリュームを最小に設定し、ヘッドホン端子からの音声出力を状態を変えながら録音してノイズを検証してみました。

*以下、検証結果は私(Wirewriggle)が簡易的な機材で独自に検証したものであり、一切の正確性、正当性、再現性等々を保証するものではありません。


測定

下記の4つの状態でのアナログ音声出力を測定。

・単体でのゲーム画面
・単体でのHOMEメニュー画面
・ドック接続でのゲーム画面
・ドック接続でのHOMEメニュー画面

*ゲーム画面は負荷が高くて処理落ちするゼルダBoWのコログの森で無操作状態
*録音環境:Z97-PROオンボードMIC音声入力端子+Audacity


確認

単体では、ゲームプレイ中はノイズフロアが若干上がっているものの、ほぼノイズレスです。これは聴感上(単体使用ではノイズが聞こえない)と一致します。

ドック接続中は明らかにノイズが発生しています。HOME画面中は一定のノイズですが、ゲーム中は変動しています。
*測定の為に録音ゲインを上げているので、聴感上は何となくノイズが聞こえる事もある程度です。

大まかにノイズA(HOME画面中)、ノイズB/ノイズC(ゲーム中)の3つの状態に分けて詳しく見てみます。

ノイズA、HOME画面中
明らかに60Hzのノイズと、その高調波ノイズが主成分です。

ノイズB、ゲーム中
20Hzのノイズと、その高調波ノイズが主成分のようです。

ノイズC、ゲーム中
60Hz、90Hzがメインですが、30Hzにもノイズが見られます。傾向としてはホーム画面に近いです。


考察

まずホーム画面ですが、明らかに60Hzのノイズが出ていて(60fpsでの)画面の描画に合わせてノイズが出ているようです。

スイッチはドック接続時は消費電力と引き替えにGPUのクロックアップが行なわれるらしいのですが、GPUが原因なら単体時でもそこそこの音量でノイズが出ても良さそうです。
しかし単体ではノイズがほぼ出ず、ドッグ接続時のみ60Hzでノイズが出ていることを考えると、単体使用時にも行なっている画面描画処理ではなくHDMIへの出力時にノイズが出ていると思われます。

あくまでも推測に過ぎませんが、iFixitのNintendo Switch分解記事の(手順12の)画像を見るとスイッチ本体側のPCB上でオーディオDAC+HPAのALC5639と、USB3.0/DPマトリックススイッチPI3USB30532が隣接してレイアウトされてるので、画面をUSB3.0ポートでDP出力~ドック側を経由してHDMI出力するタイミングでのマトリックススイッチの電源ノイズがアナログ音声に回り込んでいるのではと思います。

ゲーム中のノイズB、ノイズCはノイズの原因自体はホーム画面中のノイズAと同様で、処理落ちしてフレームレートが下がった事でノイズの周波数分布が変わっているのだと思います。処理落ち1コマだと30fpsで30Hz、2コマだと20fpsで20Hz等々。

HDMI入力端子はあるけど音声出力のないPCモニタ等で遊んでいる人にはヘッドホン出力は必須なのですが、あくまでもヘッドホン出力は携帯モード用でドック接続時はHDMI経由で出力されるデジタル音声をTV側から出力して聴くのが任天堂の想定する使い方なのかもしれません。


対策

この手のノイズはボリュームを変化させてもノイズの音量は変わらない事が多い為、簡単に中の回路に手を入れずに出来る対策としてはボリュームを上げてS/Nを稼ぐのが一番です。

ボリュームを上げると感度の高いヘッドホンでは音量が大きくなりすぎるので、インピーダンスが高くて音圧感度の低いヘッドフォンを使用するか、ヘッドホンはそのままで抵抗入りのケーブルを噛ませて使用します。抵抗入りのケーブルを使うと理屈上は微妙にf特が変化しますが、ゲームを遊ぶ分には特に問題ありません。(そのまま接続してノイズフロアが上がることに比べればメリットのみです)
デジタルボリュームの調整段階が粗くて微調整できないときにも便利です
私は抵抗入りの延長コードとして、オーディオテクニカのAT3A50STを使用しています。
複数社から似たような製品が出ていて、今でも何種類か入手できます。ボリュームが可変出来るので、少し落としてその分本体のボリュームを上げればノイズレスでゲームできます。


まとめ

Nintendo Switchのアナログ音声出力のノイズについてまとめます。

・ドックと接続するTVモードでは本体のイヤホンジャックからのアナログ音声出力に若干ノイズが乗る。
・ドックと接続しない携帯モードでは全く問題ない。
・ノイズはホワイトノイズが常時出るタイプではなく、HDMIへの画面描画タイミング(fps)と関係がある感じのノイズ。高負荷で処理落ちするとノイズも変化する。
・ノイズはボリュームには依存しないので、抵抗入りのケーブルを噛ましてボリュームを上げてやれば問題ない。
・他の本体でも再現性があったので初期不良では無さそう。

長かったですがこの記事もここまでです。今度のゼルダは控えめに言って神ゲーなので是非やりましょう!