2019/12/07

Corsair Force MP510 NVMe PCIe Gen3 x4 M.2 SSDのオーバープロビジョニング設定、ファームウェアバージョン、ベンチマーク

Ryzen Threadripper 3970XマシンのシステムSSDとしてMP510 CSSD-F960GBMP510(960GB)を購入しました。



MP510(960GB)はPCI Express 4.0対応ではないものの、比較的安価ながら高速で長寿命です。

・M.2 Type 2280フォームファクタ
・Phison社製PS5012-E12コントローラ
・DRAMキャッシュ(たぶん1024MB)
・PCI Express3.0×4接続
・Read 3480MB/s、Write 3000MB/s
・3D TLC NAND(恐らく東芝BiCS3 3D TLC NAND)
・寿命1,700TBW

最近のQLCのSSDは書き換え寿命が心もとないですが、TLCは価格がQLCの2倍高いです。
このPhison E12+3D TLC NANDのSSDは価格はQLCの1.5倍ですが、TLCの寿命なのでコストパフォーマンスが良い構成です。

以下レビューです。

Phison PS5012-E12+3D TLC NAND+DRAMキャッシュの似たようなSSDは他にも出ています。

・CFD PG2VN CSSD-M2B01TPG2VN
・MyDigitalSSD BPX Pro MDNVME80-BPXP-1T
・Logitech LMD-MPD
・PNY XLR8 CS3030
・Silicon Power P34A80 1TB(TBW不明)
・Gigabyte AORUS RGB M.2 NVMe SSD(800TBW、512MBキャッシュ)
※まだまだありそう

どれも基板レイアウトが同じようですのでPhisonのリファレンスデザインかと思いますがスペックには各々若干の違いがみられます。

・NANDチップメーカー(東芝BiCS3 3D TLC NAND/他社3D TLC NAND)
・DRAMチップメーカー
・DRAMキャッシュ容量(1024MB/512MB)
・TBW(1,700TBW≒1665TBW/800TBW)
・容量、オーバープロビジョニング領域の有無(1024GB/960GB)

基本的にはリファレンスデザインですので同一チップ採用の同一スペックならどれも似たようなものですが、基板の製造実装や主要チップ以外の部品品質の違い、メーカーの違いが主な差になります。

・詳細なスペックが公開されているか
・ヒートシンクの有無や違い
・NANDの入手元は信用できるか
・ちゃんと検品しているか
・ファームウェアの更新があった場合に提供してくれるか
・値段、入手性
・代理店

もうこの辺はメーカー自体が誠実で信用できるかどうか、過去のやらかし(リマーク、密かにスペックダウン、初期不良誤魔化し、ステマ)がないかで決めるしかありません。
CFDやCorsairはNANDチップベンダーではありませんが、PCパーツメーカーとしては割と信用できると思います。

というわけでMP510 960GBの選定理由は以下です。

・TLC NANDのSSDとしては安い(QLCの1.5倍程度)
・長寿命(1700TBW)
・割と高速(Read 3480MB/s、Write 3000MB/s)
・DRAMキャッシュ搭載(たぶん1024MB)
・オーバープロビジョニング領域が確保されている(64GB)
・NANDチップベンダーではないが比較的信頼できるメーカー(Corsair製)
・ヒートシンクなし(マザボ[MSI TRX40 PRO WIFI]側にヒートシンクがついているので無いほうが良い)

オーバープロビジョニングの設定変更

MP510(960GB版)には256GBの3D TLC NAND 4枚(計1024GB)が載っているので元々オーバープロビジョニング用に64GB(6.25%)が割り当てられているはずです。

私はイメージバックアップの高速化と長寿命化の為に960GBフルではなく、先頭640GBのみシステム用パーティションを切って使用しています。
後半の領域は完全に未使用領域なのでOSからのTRIMに依存せずにガーベージコレクション、ウェアレベリングに活用されているはずですが、気休めに明示的にオーバープロビジョニング領域を更に広く設定できないか試してみます。

一部のSSDでは元々オーバープロビジョニング領域が無効になっていても、専用ツールからNANDフラッシュの一部領域をコントローラーのシステムに明示的にオーバープロビジョニング領域として割り当てられ、キャッシュやウェアレベリングなどに使用されるようになり速度と寿命が延びます。

早速コルセア製SSDの専用設定ツール、Corsair SSD Toolboxをインストール。
しかし「このNVMeドライブでは、オーバープロビジョニングはサポートされていません。」のメッセージが表示され、設定できませんでした。


コルセアのユーザーフォーラムによると、MP510は工場出荷状態でオーバープロビジョニングが設定されているため設定変更はできないようです。
まぁ元々64GB確保されてるし、未使用領域もあるので良しとします。


ファームウェアアップデート

同ツールでファームウェアのアップデートもできますが入手時のファームウェアバージョンECFM22.5が既に最新版でした。(2019/12/07時点)

ベンチマーク

ベンチマーク環境はRyzen Threadripper 3970XからのPCIExに直接続のM.2 スロットです。
カタログスペックは最大 3,480MB/sec 、最大 3,000MB/sec ですが、実際に額面通りの性能が出ています。
1024MBのキャッシュのおかげかと思いましたが、テストサイズを4GBにしてもほぼ同じパフォーマンスが出ています。
マザボ上のGPUの下に隠れる風通しの悪いスロット(マザボ側のヒートシンクはあり)に挿していますが、
温度もアイドルで39℃、ベンチ中の最大でも54℃で特に問題ありません。

まとめ

いままではSATA接続のSSDだったのでかなり高速化され、体感上もレスポンスが良いです。速度も温度も問題なし。
コストパフォーマンスはかなり高く、無難なシステムドライブの選択肢としてお勧めできます。
難点を挙げるとするとコルセアの販路開拓が弱いのか取り扱いしている小売りが限られているぐらいです。