WD2001FASSのほうは2015年までRMA期限内なのですが気にしない気にしない。
分解するHDD、左がWD20EARS-00MVWB0、右がWD2001FASS-00W2B0です。(以降写真の右側はWD2001FASS)
以下主なスペックです。
Western Digital WD20EARS-00MVWB0
5400rpm
667GBx3 = 2TB
Serial ATA 3Gbps
RMA3年
Caviar Green(倉庫向け)
Western Digital WD2001FASS-00W2B0
7200rpm
500GBx4 = 2TB
Serial ATA 6Gbps
RMA5年
Caviar Black(システムドライブ向け)
その他、WD2001FASSはWD Caviar Blackの追加機能として、デュアルプロセッサ、デュアルアクチュエータ、StableTracが売りになってます。
裏面、Blackのほうが基板が大きいです。
HDDを分解する
*注意事項:HDDを分解した場合にはメーカー保証がなくなります。この記事を読んで行なった行為によって、何らかの損害等が生じても私(Wirewriggle)および関係者、メーカー、何れもその責任を負いません。
まずは基板を外します。
EARSはMarvell 88i9146-TFJ2、FASSはMarvell 88i9045-TFJ2が使用されています。デュアルプロセッサを謳っていますが正確にはデュアルコアでしょうか。
また村田製作所の加速度センサがWD Caviar Greenは1つのみですが、Blackには3つ搭載されています。
その他の構成はGreenもBlackもほぼ同等ですが、地味にコネクタがFOXCONNではなくAmphenolだったり細かい点で多々異なります。
ラベルの裏に隠された物も含め全てのネジを外します。WDの3.5inchHDDはトルクスドライバーのT8とT7があれば分解できます。
またBlackのほうはスピンドルを安定させるため蓋側でも軸を固定している(StableTrac)ので制振用らしき重りが付いてます。
蓋を外します。Blackはエアフィルタが2個付いてます。
プラッタがガラス製の場合、割れると結構な細かい破片が飛散するので注意して下さい。
またヘッド駆動用の磁石は強力なので指を挟んだり磁気に弱い物を近づけないように注意して下さい。
シャーシはGreenもBlackも大体同じです。
ヘッドを駆動してシークするボイスコイルモーター。Blackはコイルが金メッキぽい見た目です。
また磁石はBlackのほうが強力でしたが、単に4プラッタ品では強いものを使用しているだけかも知れません(今回のGreenは3プラッタ品)。
ヘッド部分。Blackはデュアルアクチュエータ用の素子がついています。
WD Caviar GreenはIntelliParkでやたらとロード・アンロードを繰り返す仕様ですが、特にその辺りが頑丈に作られているようには見えません。
ヘッド部分拡大。Greenではただのバネの部分が、Blackでは二段サーボ用の素子(恐らくPZTだかのピエゾ素子)が付いています。
これを基板側に多めに実装されている加速度センサと組み合わせ、高速で高精度なトラッキングを行っているのでしょうか。
ちなみにこの写真は以前購入した接写リング+NEX-5NでISO1600手持ち撮影してみました。慣れると使いやすいです。
まとめ
WD Caviar GreenよりBlackのほうが細かい部分までコストが掛かっている作りになっていて、確かに信頼できそうです。
ただし大量に導入するのでなければ単に個体の当たり外れの影響のほうが大きいです(現に今回のBlackも1台/1台が故障したので分解してます)。
なので2倍以上の価格差がある場合は、シークタイムまで含めて高速なHDDが必要ではないのならGreenでも良さそうです。
また最近は7200rpm品ではHGSTや東芝の製品も安めで良い選択肢になっています。
結局のところ、どんなHDDでも消耗品かつ運が悪いと壊れるのでバックアップは必須です。というわけで速度が不要なら安い物を2台買う方が安心できそうです。