2014/08/30

EIZO ColorEdge CX271-CNXを買ったのでレビューとか。&WiiUゲームパッドの表示遅延について

買ってしまった

そろそろ横解像度2560ピクセルのモニタが欲しくなったので、ちょっと奮発してメインモニタを三菱電機 VISEO MDT242WGからEIZO ColorEdge CX271-CNXに買い換えました。そのレビューとか感想です。
MDT242WGはゲーマー向けの多入力低遅延液晶ですが、CX271は画像・動画編集用の色再現性重視なモニタになります。

また、サブモニタとしてナナオ(現EIZO) FlexScan SX2262W-PXBKを使用中です。


CX271基本スペック

パネル:27インチ/IPS/2560x1440/LEDバックライト/応答速度6ms/Adobe RGBカバー率99%
入力:DisplayPort/HDMI/DVI-D
保証:5年間(使用時間30,000時間以内)
その他:コレクションセンサー内蔵



バリエーション

CX271    ColorNavigator Elements 付属
CX271-CN  ColorNavigator 付属
CX271-CNX  ColorNavigator+キャリブレーションセンサーEX2 付属

あまり値段が変わらないのでColorNavigator用専用センサーEX2同梱版(CNX)を購入しました。


外観

業務用っぽいゴツいデザインです。
最近の液晶は狭額縁が多いですが、CX271は枠が太い(実測で左右約23mm、上約26mm、下約36mmもある)のでマルチモニタで少しでも黒枠を減らしたい人には気になると思います。


色再現性とカラーマネジメント

購入当初から発色薄めなMDT242WGと比べると圧倒的に綺麗です。
また視野角も広く、22型VAパネルのSX2262Wと比較しても色むらないです。
ドット抜けも今のところ見つかりません。

ColorNavigatorと付属のEX2(もしくは社外品のセンサー)でカラーキャリブレーションが出来ます。
色域・色温度・輝度等の目標値を指定してソフトの指示に従うだけで完了します。
プロファイルもColorNavigatorから一発切り替えできるので、普段はsRGBで使用して印刷用の写真を弄るときだけAdobeRGBで使用する事が出来ます。
ハードウェアLUTでのキャリブレーションなので階調が死んだりトーンジャンプの心配はありません。

このキャリブレーション作業は時間が掛かる上、定期的に実施しないといけないのですが、
内蔵コレクションセンサー(モニタ上部から出てくる)で白色点の補正を勝手にしてくれるので、時間の掛かるフルキャリブレーションの頻度を減らせます。


付属センサーEX2


左:EIZO EX2、右:EIZO EX1


以前買ったSX2262W付属品のEIZO EX1(Datacolor Spyder3のOEM)は広色域モニタで使用した場合の性能がイマイチらしく、
AdobeRGB対応パネルのSX2262Wで使用しても(付属品なのに)調整しない方がマシな結果しか得られなかったので結局使用しませんでした。

これに懲りずにまたセンサー同梱版を買った訳ですが、CX271同梱のEIZO EX2はSpyder4のOEMとなっています。
DatacolorはSpyder4での広色域モニタ対応強化を謳っていて、また第4世代センサーは26%の精度向上と19%の安定性向上を実現しているとの事らしいです。

実際にCX271+ColorNavigator+EX2でカラーキャリブレーションしてみた感じでは、見たところ正常に調整されているようです。
サブモニタのSX2262W付属のEIZO EasyPIX SoftwareでもEX2に対応しているので、そちらでも調整してみたところ、2枚のモニタで同等の発色に調整できました。
マルチモニタ環境でモニタ毎の色味が異なるととても気になるので、無事に調整できて良かったです。

EX1は正直使い物になりませんでしたが、EX2は実用十分な性能があるようです。
ただしSpyder4は分光式ではなくフィルタ式で保障期間も2年なので、3年ぐらい経ってもちゃんとキャリブレーション出来るかは気になるところです。
ダブルシールドフィルタで寿命改善しているらしいですが、乾燥剤と一緒に暗所に保管しておこうと思います。


USBハブ機能

キャリブレーション時はモニタとセンサーをPCと接続する必要があるのですが、EIZOのモニタはUSBハブ機能内蔵なので
以下のように接続し、PCに接続するUSBケーブルは1本で済むので便利です。

[PC]-[SX2262W]-[CX271]-[EX2]


バックライト

輝度は50cd/m2まで下げられるので眩しくないです。18kHz高速PWM調光なので輝度を下げてもちらつきません。
また初期のLEDバックライトは発熱の多い物がありましたが、CX271は発熱少なく冷却用のファンもないので無音です。


スタンド

EIZOおなじみのスタンドで、ピボットできるうえ上下の可動域も広く一番下までモニタが下げられるので非常に便利です。


遅延時間と応答速度

応答速度に関しては一般的なオーバードライブ付の6msで、特に黒挿入などの特殊機能もないので普通の液晶モニタというところです。

遅延時間に関してですが、ColorEdgeでゲームする人は殆ど居ないと思いますが私はPCゲームもするので測定してみました。

測定は遅延時間が既知(1フレーム)のMDT242WGをリファレンスにし、WiiUを使用して以下の方法で行いました。
PCのデュアルディスプレイ出力での測定方法よりは正確だと思います(理想はDVI分配器を使用する方法ですが)。

・WiiUと液晶モニタをHDMI接続する
・WiiUで液晶モニタとゲームパッドに同一画面が表示されるソフトを起動する(バーチャルコンソールなど)
・WiiUゲームパッドと液晶モニタを動画で撮影し、ゲームパッドの表示画面に対し、液晶モニタの表示遅延時間を測定する。

*動画撮影しているカメラが60fpsなので何回か撮影して平均を見ています。
*毎回全く同じシーンを使用します(デモ画面など)。
*厳密に言うとフレーム遅延時間+液晶応答速度が測定されます。

結果としては以下のような感じになりました。

・MDT242WG  約 -2.0 frame (ゲームパッドより高速)
・CX271   約 -1.0~1.5 frame (ゲームパッドより高速)

MDT242WGが1フレーム遅延なので、CX271の遅延時間は約1.5~2.0フレームといったところです。
ゲーム専用を謳うのは微妙な感じですが、格闘ゲーム(SSF4AE)も普通に遊べます。カラーマネジメントモニターとしては十分でしょう。

推測ですが、映像製作で音声と画像の出力タイミングがずれると困るので3フレーム以上の極端な遅延が発生しないように設計しているのだと思います。


WiiUゲームパッドの表示遅延時間

余談になりますが、上記遅延測定ではWiiUゲームパッドがMDT242WGに比べて約2.0フレーム遅延、つまり約3.0フレーム遅延で表示されていました。
想定よりもゲームパッドの遅延が大きくて気になったので別のVCソフトでも測定してみたところ、
別ソフトのデモ画面では対MDT242WGで約0.0~1.0フレーム遅延の結果になりました。つまり約1.0~2.0フレーム遅延です。
ゲームによってパッドの表示遅延が異なるなんて事があるのかと調べてみた結果、

Wii U|社長が訊く『Wii U』|Nintendo - 任天堂(2ページ目) によると

>一般的に、ひとつの画面は
>16×16のマクロブロック(※14)ごとに圧縮できるんですけど、
>Wii Uの場合はデータをどんどん圧縮して、
>無線で送れるパケットサイズ(※15)がたまった瞬間に、
>Wii U GamePadに送り出すようになっています。

とあり、ゲーム画面の内容(≒圧縮しやすさ)によりマクロブロックのデータ量が変わると、1フレーム送りきるまでの時間も変化し、結果的にフレーム遅延時間が異なってもおかしくなさそうです。

また、以下のような記載がありました。

Wii U|社長が訊く『Wii U』|Nintendo - 任天堂(5ページ目)

>実際、Wii U GamePadに映像が表示されるのはかなり速くて、
>最近のテレビは、画像処理回路の影響で
>入力に対して遅延が発生するものも多いので、
>本体と有線でつながっているテレビより、
>Wii U GamePadのほうが表示が速い場合があります。

表示遅延を限界まで抑える技術には何度も言及してアピールしていますが、具体的な遅延時間に関しての公式情報が見つからなかったので、
パッドの遅延は表示内容によって多少変わると言う事でしょうか。

少なくとも私が測定したVCソフト数本では、WiiUゲームパッドの表示遅延は約1.0~3.0フレーム(表示内容による。測定誤差含む)という結果でした。
特にゲームプレイで問題にならないレベルで、無線デバイスでありながら有線に匹敵していてかなり高速です。


さいごに

途中で脱線してしまいましたがCX271レビューのまとめです。

・カラーマネジメントモニタとしての性能はいつものEIZO製品で問題なし。
・付属品のEX2は(EX1と違って)ちゃんと使える。
・DVI、DisplayPortに加えてHDMI入力付、比較的低遅延(約1.5~2.0フレーム)なのでゲームも可能。
・応答速度は普通。低輝度でもちらつかず目が疲れにくい。
・スタンドは便利だが相変わらず額縁は太い。

値段が高い(15万ぐらい)事を除けば良い製品でした。ちゃんと色が出るようになった上、作業領域も広くなってかなり快適です。
2560x1440が欲しいけどカラーマネジメントとHDMI入力が不要な人は8万ぐらいで買えるEIZO FlexScan EV2736Wも良いと思います。

2014/08/03

intuos4のUSBコネクタが出っ張って邪魔なのでL字USBケーブルを買った

wacomのペンタブレット、intuos4のUSBケーブルが出っ張っていて邪魔なので、L字のUSB延長ケーブルを買ってみました。

購入したのはコレです。

変換名人 miniUSB延長ケーブル [ 左向きL型・オス - メス ] [ 20cm ] USBM-CA20LL
左向きと右向き両方あります。右利きの人は左向きL型、左利きの人は右向きL型のケーブルを買えば大丈夫です。

intuos5、intuos proではUSBコネクタ(ミニB)の数が1個になっていますが、intuos4と端子の向きは同じみたいです。

単純にコネクタの向きを変える為の延長ケーブルになってます。
微妙にUSBコネクタ周辺と干渉するのでデザインナイフとかで少し削ってやります。
装着前。

装着後。最近のワコム純正USBケーブルよりも小型のL字ケーブルなので、ペンタブ本体からの飛び出しが5mm以下(intuos4,実測値)になりました。
これでマウスとペンタブを並べて使用しても、ケーブルが押されて端子にストレスが掛かって壊れる心配が無くなりました。
特にUSBコネクタが一つだけになってるintuos5/proにはお勧めです。

取り外すときも本体側ではなく延長ケーブル側を外せば良いので端子挿抜で痛みにくいです。
USB Mini-Bコネクタの挿抜回数耐久性は公称5000回らしいですが、あくまでも半田割れとか無視したコネクタのみの寿命です)

ワコムが純正品で邪魔にならないケーブルを同梱してくれるのが一番良いのですが…3万ぐらいする製品で左利きの人はケーブルをループにして使って下さいってのはどうなんでしょう。