2022/09/02

ASUS TUF-RTX3090-24G-GAMINGとANTEC SIGNATURE 1300 Platinum購入

ASUS TUF-RTX3090-24G-GAMINGを購入

今まで6年間GTX 1080 8GBで耐えてきましたがStable Diffusionが衝撃的に登場して一刻も早く遊びたくなり、VRAM24GBが載ってるRTX 3090のグラボ(ASUS TUF-RTX3090-24G-GAMING)を購入しました。約20万。ホントはRTX A6000 48GBが欲しいところですが、ゲームもやりたいし60万越え(円安で余計に値上がってる)は財布が辛いのでパス。


高い。デカい。重い。TGP350Wの大飯喰らい。RTX 3090の中では約30㎝のボード長で扱いやすい長さです。Define R5(HDDケージ装着状態で31㎝まで対応)にも使えます。
裏面。通常クロック版とOC版のVBIOSを切り替えるスイッチがついてます。ただでさえ消費電力がデカいので通常クロック版で使用します。
RTX3080/3090は発売当初に基板設計上のパワー・インテグリティ(Power Integrity)の問題でクラッシュが発生するという騒動がありました。このグラボのデカップリングキャパシタにはPOSCAP(導電性高分子タンタル固体電解コンデンサ)ではなく、全てMLCC(積層チップセラコン)が使用されています。どちらが良いかは基板デザイン(パターン依存の周波数特性)や載っている石(の駆動周波数や周囲温度)との相性もあるので一概に言えませんが、全部POSCAPよりかは安心傾向です。
付属の謎カード。グラボって謎ポスターや謎エンブレムなど、誰が喜ぶのか不明なモノの同梱率が高いです。同梱するならゲームのDLコードにしてくれ。

ベンチマークは問題ないけどStable Diffusionでクラッシュ(電源落ち)する

重たいベンチマークを回しても問題ないですが、なぜかStable Diffusionを試してると電源が落ちます。

CPUがTR 3970Xで280W、RTX 3090が350WなのでSeasonic製とはいえ8年酷使した860Wの電源(SS-860XP2)じゃ限界か?でもUPSの電力モニタだとそれほど食ってないし…と悩んでいたのですが、Seasonic製の古い電源とRTX 3080/3090で電源が落ちる相性問題があるようでした。

Seasonic Xseries XP2 SS-860XP2とRTX3090(Ampere)の相性が原因だった

どうもRTX3090(Ampere系ハイエンドGPU)が12Vラインの1次側にノイズをまき散らすのでSeasonic電源側の保護回路が誤動作して電源断するらしいです。また500W超のピーク電流を引っ張ったりするので他社の電源でも過電流保護(OCP)に引っ掛かるケースもあるとか。

Stable Diffusionをバッチ処理で流していると画像1枚生成ごとに無負荷とフルロードを行ったり来たりするので、負荷がかかった時の過渡電流が激しくなってノイズも増えてたと推察しています。

SeasonicとNvidiaどっちが悪いかはともかく、パワーバランス的にSeasonic側が設計変更して対応せざるを得ないです。なんだかRTX2000(Turing)からRTX3000(Ampere)で急激に消費電力が上がったうえに基板サイズも小さくなったので、発売当初のクラッシュ問題といい、Nvidia側の電源回り・Power Integrity系の設計技術が追い付いていない気がします。大丈夫か…?

とにかく電源を変えなきゃいけないのですが、Seasonicは壊れたこともないし保護回路も厳しめの設定(万が一の時に作動しないと意味がない)で信頼しているので、またSeasonicから選びます。Seasonic製の電源でも最近出荷された電源か1000W超のモデルだと問題ないらしいです。

グラボ公称消費電力よりも瞬間的なピーク電力は倍以上多そうだし、どうせ日本の商用電源環境(100V15A)だと1400Wぐらいまでしか引き出せないので、ついでに1300Wのモデルにしてみます。SeasonicだとPRIME-PX-1300がありますが6万近くと高額なので、PRIME-PX-1300のANTECへのOEM版のANTEC SIGNATURE 1300 Platinumが比較的安いのでこちらを買うことにしました。



ANTEC SIGNATURE 1300 Platinumを購入

外観。電源なのであまり特筆するところはないですが、サイドのロゴが両側についてるので底面吸気でも上面吸気でもロゴが見えるなど4万円以上の電源らしくこだわりが感じられます。
機能上の特徴としてはSeasonic版にはない2個の電源を連動して出力を倍にする機能がありますが、日本の電源環境だと配電盤に分岐ブレーカー増設して2本持ってこないと使えないのであまり恩恵はなさそうです。

在庫の回転率がよさそうなAmazonで買いましたが、シリアルはSP1300GSN2203*****だったので、たぶん2022年の03週目製造かな?1300Wなので相性ないはずですが、割と最近の製造年月なので安心ですね。

付属の電源ケーブルの刻印は「<PS>E JET I-SHENG JPN タイネツ HVCTF 3G 2.0mm² 2021 ISM -F-」でした。HVCTF 2SQ(2mm²)3Cなので許容電流は余裕持った設定の17A~20Aくらいかな?流石に1300W電源用なので太いし長さも短めです。

PCI-E用の8ピン電源ケーブルは6本ついてきますが、どれもグラボ側が8ピンコネクタ2個に分岐しているタイプです。大電力のグラボに給電するのに普通は分岐させずに2本使うのでコネクタが余って邪魔になります。

Define R5に組み込み。ドライブケージを付けたままでも31㎝のグラボまで入るので、約30㎝のASUS TUF-RTX3090-24G-GAMINGを組み込んでも1㎝ぐらいの余裕があります。
黄色いのは不要な吸気穴を塞いでいるカプトンテープです。(フレキシブル基板に使われるポリイミドが基材なので250℃とかの耐熱性があります。養生テープよりお勧め。)
最近はPCの中を見せるために裏配線する人もいますが、12Vで350W超を給電するのに30Aとか流れるケーブルを無理に曲げたり押し込んだり束ねたりしたくないので、エアフローに多少配慮しつつ表側から配線しました。
CPUソケットやPCIeコネクタがもげないようにCPUクーラーとグラボを支えているのは長尾製作所のVGAサポートステイです。

安定稼働するようになった

重負荷のベンチマークもStable Diffusionのような間欠的に負荷が掛かるようなソフトでも安定して稼働するようになりました。

まとめ

・Seasonic SS-860XP2(2012年発売)はRTX3090との相性問題(電源落ち)が発生する。
・ANTEC SIGNATURE 1300 Platinum(Seasonic PRIME-PX-1300のOEM版、22年03週製?)はRTX3090との相性問題は発生しなかった。
・VRAM24GBは正義。RTX A6000 48GBが買えなくても1/3の価格のRTX 3090 24GBを買えばAI(Stable Diffusion)で遊べる。
・円安が辛い。