もうGen2 10Gbpsのケースも安くなってきた(5Gbps品との差額は千円ぐらい)ので、SATA3(6.0Gbps)の足を引っ張らないように10Gbps対応品を選択。購入したのは価格もほぼ同等な以下の二製品です。
玄人志向 GW2.5FST-SU3.1(購入時2082円)
・USB3.1 Gen2 10Gbps
・2.5inchドライブ対応(7mm、9.5mm)
・工具不要のワンタッチ取り付け
・Asmedia ASM1351 SATA3-USB3.1 Gen2ブリッジチップ搭載
・USB3.1(Gen 2) A to MicroBのケーブル付属(1本、約50cm)
・白色LEDアクセスランプ(ケーブルと逆側)
・Linux(Ubuntu 18.04LTS)で認識成功
・CrystalDiskInfoで認識成功
・132mm x 88mm x 14.5mm、80g(公称値)
ロジテック LGB-PBSUC (購入時2073円)
・USB3.2 Gen2 10Gbps
・2.5inchドライブ対応(7mm、9.5mm)
・工具不要のワンタッチ取り付け
・Asmedia ASM235CM SATA3-USB3.2 Gen2ブリッジチップ搭載
・USB3.2(Gen 2) A to Type C、USB3.2(Gen 2) Type C to Type Cのケーブル付属(2本、約50cm)
・緑色LEDアクセスランプ(ケーブル側)
・Linux(Ubuntu 18.04LTS)で認識成功
・CrystalDiskInfoで認識成功
・130×78.8×15.7mm、64g(公称値)
玄人志向 GW2.5FST-SU3.1
まずは玄人志向 GW2.5FST-SU3.1のレビューから。
外観。普通のプラ製外付けドライブケースです。
裏面はゴム足だけのシンプル構成。手前に見える横長の部分がHDDアクセスランプです。
USBコネクタは珍しいMicro-BタイプのUSB3.1コネクタです。大抵の製品はType-Cなので初めて見ました。
USB(3.1 Gen2) A to Micro-Bのケーブル(50cm)が付属します。
ケースは上部をスライドすることで外せます。外すと基板がむき出しに。
アクセスランプがUSBコネクタの反対側にあるのでLED用のケーブルがサイドを這っています。(爪固定用のスペースもあり、その分横幅が大きいです)LED発光色は白色です。
基板部分を取り外し(保証対象外の行為です)。微妙なはんだカスが一つ付いてましたが実装はきれいです。外付けケースで一番重要なブリッジチップはAsmedia ASM1351でしたので鉄板構成かと思います。
7㎜厚のSSD(Crucial MX100 512GB)を取り付け。9.5mm厚のドライブとの差を埋めるような面方向の緩衝材はありませんので7mm厚のHDDとかを装着して持ち運ぶのは心配です。
コネクタの反対側との隙間がありますが、7mm厚/9.5mm厚に限らず付属のスポンジを取り付けて埋めるようです。(上の画像は未だスポンジの両面テープ剥がしていません)
このスポンジの取り付け、化粧箱の説明だとHDDを取り付けてカバーを閉めるだけとの記載で存在自体が無いですが、付属の取扱説明書だとドライブ側にスポンジを貼り付けてから取り付けるようにとの記載になってます。
化粧箱の説明から引用 |
取扱説明書から引用 |
USB3.2 Gen1 5Gbps接続(Windows 10、AMD Ryzen Threadripper 3970X+TRX40+Crucial CT512MX100SSD1)でのベンチマーク。フロントパネル側のGen1接続だと、USB側がボトルネックとなり約446MB/sで頭打ちです。
Intel NUCのUSB3.2 Gen2 10Gbps接続(Ubuntu18.04LTS、Core i7-8559U+Crucial CT512MX100SSD1)でのベンチマーク。Gen2接続だとリード最大約560MB/sまで出ていますのでSATA3 SSDの性能を出し切れているようです。
ロジテック LGB-PBSUC
次はロジテック LGB-PBSUCをレビューします。
外観はプラ製ですが、マットな質感です。分かりにくいですがロゴが二色印刷でロジテック製品にありがちな謎のこだわり(効果不明)を感じます。
ケース裏面はゴム足と型番のシール。
USBコネクタは定番のType-C。コネクタと同じ側にアクセスランプ(緑色LED)があります。
USBケーブルはUSB3.2 Gen2 Type A to CとType C to Cの二種類のケーブルが付属します。(約50cm)低価格製品ですがケーブル二本付きは嬉しい配慮です。
ケース両サイドのボタンを押すことでロックが解除され蝶番状に開きます。開く際にはケーブルは干渉するので外しておく必要があります。
ケースを開いても基板は露出しません。
基板を外します。(保証対象外の行為です)実装状態もきれいです。ブリッジチップはAsmedia ASM235CMでした。鉄板構成です。
SSDを取り付け。(画像は7mm厚のKingston SV300S37A/120G 120GB)
9.5mm厚のドライブとの差を埋める緩衝材(スポンジ)が二つ付属しているので、7mm厚のドライブを使用する場合は両面テープで蓋側に貼り付ければ、面方向でも抑えてくれます。
化粧箱の説明より引用 |
取扱説明書より引用 |
Intel NUCのUSB3.2 Gen2 10Gbps接続(Ubuntu18.04LTS、Core i7-8559U+Crucial CT512MX100SSD1)でのベンチマーク。Gen2接続だとリード最大約560MB/sまで出ていますのでSATA3 SSDの性能を出し切れているようです。
ASM1351(USB3.1)よりASM235CM(USB3.2)のほうが微妙に平均アクセス時間が短いですが、平均リード速度では何故か前半が約545MB/sで、後半が約560MB/sとなっているのでASM1351のほうが逆転して微妙に高速でした。
CT512MX100より高速なSATA3-SSDを持っていないので厳密にどちらが高速かの判定は出来ませんが、基本的にはUSB3.1とUSB3.2の規格上の違い(+USB Type-C対応)だけで、ASM1351もASM235CMも同等性能と見做して良さそうです。
玄人志向 GW2.5FST-SU3.1 vs ロジテック LGB-PBSUC
速度:ほぼ同等です。もはやSATA3かSSDの側がボトルネックになっていて差が見えません。これ以上の高速化はSSD側もNVMeインターフェースのSSDが必要になってきます。
ブリッジチップ:ASM1351(USB3.1) < ASM235CM(USB3.2)でLGB-PBSUCのほうが規格は新しいですが、速度面では差がないためどちらでも良いです。
ドライブ交換のし易さ:交換作業自体はLGB-PBSUCのほうが容易ですが、ケーブルを抜く必要があります。7mm厚SSDセット時の安定感は面方向の緩衝材があるLGB-PBSUCが良好でした。
アクセスランプ:LGB-PBSUCが緑、GW2.5FST-SU3.1が白色LEDです。場所もケーブル側か反対側かの違いがありますが、3.5inchケースと異なり据え置きで設置する感じでもないので大して違いはないでしょう。
ケース側コネクタ:明らかにmicroB(USB3.0系だとマイナー端子) < Type-C です。付属のケーブルもPC側がAとCの2種類ついているのでLGB-PBSUCのほうが追加購入の必要もなく便利です。
質感:LGB-PBSUCのほうが若干良好ですがプラ感はどちらもあります。
サイズ:LGB-PBSUCのほうが一回り小さいです。
マニュアル:玄人志向製品はマニュアルは英語ですが、ロジテック製品だと日本語のマニュアルが付属しています。(使い方が難しい製品ではないのであまり関係ないですが)
総評
どちらかといえばロジテック LGB-PBSUCがお勧めです。
両者ともAsmedia製のブリッジチップを採用し、価格も性能も同等と言えますが、ケース側のコネクタがType-Cであること、付属ケーブルがAとCの二種類あることが大きいです。
質感とサイズも若干ながらLGB-PBSUCのほうが良好でした。
USB 3.x Gen2 10GbpsはSATA3の速度を出し切ることができ、古いSSDのUSBメモリ化やノートPCのバックアップ用途に活躍しそうです。
ただデスクトップPC環境だとフロントパネルに10Gbpsの端子が来ていないとGen2のケーブル長が規格上1m(しかもマザボ~フロントパネル~外付けドライブで最大1m)なのでGen2 10Gbpsで接続して運用しようとすると取り回しの面で使い辛いです。
しかしGen1対応製品との価格差もほとんどなくなってきている(千円程度)ので、とりあえずGen2対応製品を買っておいてもよさそうです。