2014/06/15

FC/SFC/MD/GB/GBC/GBA互換機のRETRON5(レトロン5)を購入したのでレビュー

レトロゲームがHDMI出力で遊べる互換機、米Hyperkin(ハイパーキン)社製  RETRON5(レトロン5)を購入したのでレビューしてみます。
本体カラーはGrayとBlackの2種類。
最大の特徴は対応機種の多さで、これ一台で以下のゲーム機に対応しています。
・ファミコン(FC/NES)
・スーパファミコン(SFC/SNES)
・メガドライブ(MD/GENESIS)
・ゲームボーイ(GB)
・ゲームボーイカラー(GBC)
・ゲームボーイアドバンス(GBA)

*マニュアルによるとメガアダプタ(POWER BASE CONVERTER)も使えるので、セガ・マークIII(Sega Master System)のゲームも遊べます。
*リージョンフリー(自動切り替え)で海外版ソフトも動作します。

さらにFC/SFC/MDの実機のコントローラーが2個ずつ使用できるので実機に近い環境で遊べます。(最大4人プレイ)

2013年の9月に予約したものの、年末に発売される予定が2014年6月に延期されてしまいましたが…やっと入手できました。
では以下レビューです。


本体上部
本体上面はカセットのスロットが4つ実装されています。手前からファミコン、NES、スーファミ、メガドライブ用です。
一番後ろは専用コントローラー置き場になっていますが、単なる凹みなので置いて充電が出来る訳ではありません。
メガアダプタの後ろの出っ張りを収める用のスペースを流用しているだけのようです。
全体的にスロットが固くて渋いです。特に拡張チップを搭載しているSFCカセットは足が多いので抜くのが大変ですが、壊れるほどではないです。
また4つのスロットにソフトを挿しっぱなしには出来ません。挿しておけるのは1つのみです。


本体前面
本体前面には電源ボタン、ゲームボーイ系のカートリッジスロット、どの機種を認識しているのか示すランプがあります。
電源ボタンは長押ししないとONにならないタイプでちょっと焦りました。
ゲームボーイのカセットを挿すと割と飛び出した状態になります。このスロットは特に渋くないです。


本体背面
SDカードスロット、HDMI端子、リセットボタンらしき謎の穴、USB端子、ACアダプタ端子があります。

SDカードはRETRON5からセーブデータやスクリーンショットを保存する他、PCからチートコードやファームウェアアップデータを持ってくるのにも使用します。

USB端子は専用コントローラーの充電用ですが、本体の電源がONになっていないと給電されない仕様で使い勝手は悪いです。最初コントローラーを繋いでも充電されず壊れたかと思いました。


本体側面
本体側面にはスーパファミコン、ファミコン(ニューファミコン/AVファミコン)、メガドライブのコントローラーを挿せるようになっています。
物理的には左右のポート合わせて各ハード2個までなのですが、柔軟な作りになっていてSFCとMD、専用PADを混在させた仮想マルチタップを作り4人で遊ぶ事も出来ます。


専用コントローラー
専用の無線コントローラーです。以下のボタンがあります。
・方向キー
・6ボタン
・L/Rボタン
・スタート/セレクトボタン
・マクロボタンx2
・ホームボタン

持った感じや操作感は悪くないのですが、スイッチがカチカチうるさいのと方向キーの入力が二重に入る事があるので微妙です。
真面目に遊ぶ場合は素直に実機のコントローラーを使用した方が良いです。

キーの設定は専用コントローラー/実機問わず柔軟に設定できます。
Wiiリモコンのと見た目も動作もそっくりなLEDがあり、何らかのボタンを押すと電池残量に応じて点灯する数が変わります。
本体起動後はコントローラーの番号(1-4)を示します(専用コントローラーも最大4個まで使用できる)。充電中はLEDが点滅します。
電池は内蔵の充電式で、充電はUSB端子(microB)で行います。一見便利そうな本体から充電出来るケーブルが付属していますが、前述の通り本体の電源がONのときしか給電してくれません。

付属ケーブルは長いので遊びながら充電する用にして、充電だけするときはスマートフォン用のmicroBなUSB充電ケーブル環境を流用した方が良いです。

またバッテリーの持ちは8時間らしいのですが、5時間位連続で遊んでもまだバッテリーが残っていたので頻繁に充電する必要は無さそうです。


ACアダプタ
比較的小型のものが付属していますがケーブルがちょっと短めです。
世界各国のコンセント形状に対応する為に日本のAタイプの他、BFタイプ、Oタイプ、Cタイプ?、の計4種の変換アダプタが付いてます。

入力:100-240V、50/60Hz
出力:センタープラス5V、2A
消費電力は10W以下で少ないです。


同梱物一覧

・RETRON5本体
・専用Bluetoothコントローラー
・ACアダプタ
・コントローラー充電ケーブル(USBケーブル)
・HDMIケーブル
・マニュアル

USBケーブルは余り見かけないminiB-microBのタイプでしたが、スマートフォン向けのホストケーブルとして同型の物が販売されているので入手に困る事は無さそうです。
意外にもHDMIケーブルはちゃんとしたものが付属していました。


遊んでみた

初めて起動すると簡単な画面サイズの設定が始まります。白枠がTV画面の外に行くように調整して完了です。

その後さっそくSFCのソフトを遊ぼうと思ったのですが、Unknownなソフトと認識されたりカセット自体が認識されなかったり散々でした。一方でGBAはあっさり動作。
調べてみると発売早々ファームウェアアップデータが公開されていました。

アップデート方法の詳細とアップデータの入手は以下のリンクからどうぞ。

RetroN 5 v1.31 Update Instructions

このアップデートの方法が分かりにくいので概要を書いておきます。
ハックされてROM吸い出し放題コピーし放題なハードにならないようにする為なのか、手順が面倒であまり頻繁には更新したくない感じです。

・PCでアップデータを落としてきてSDカードに入れる
・RETRON5にSDカードを挿し、画面の指示に従って更新。
・そのままRETRON5でアップデート要求ファイルを生成。SDカードに書き込まれる。
・PCにSDカードを挿し、WEBサイトでアップデート要求ファイルを提出して、またアップデータを入手。SDカードに入れる。
・RETRON5にSDカードを挿し、画面の指示に従って更新。

アップデータ適用後はSFCのソフトもすんなり認識、ちゃんと遊べるようになりました。今のところ手持ちでは動作しないソフトも無さそうです。

初めて挿したカセットの場合、カセットからRETRON5本体にセーブデータが自動的にインポートされます。
ゲームを遊ぶときには毎回ソフトのROM丸ごと本体RAMにコピーしているような動作をします。GBAとかの容量が大きいソフトは少し待たされます。


実機の再現性

互換機で一番気になるのは再現性です。RETRON5はソフトウェアエミュレーションですが再現性は良好です。サウンドの再現度も素晴らしいです。
拡張チップが載っているSFCのソフトも動きます。特に遅延も感じられません。


機能と設定項目が凄い

・セーブデータのコピー((RETRON5本体/SDカード)←→カセット)
・ステートセーブ/ロード
・スクリーンショット(JPEG形式)
・セーブデータの保存場所変更可能(内蔵メモリ/SDカード)
・本体内蔵メモリとSDカード間で各種データのコピー可能

・ゲーム内スピードのクロックアップ
・チート

・自由なボタンマッピング設定(実機のコントローラーでも)
・SFC/MD/専用パッド混在状態でも各プレイヤーに柔軟に割り当て可能(最大4人プレイ可)
・FCやMDのゲームでもSFCパッドで遊べる

・ビデオフィルタ設定(ドットをクッキリさせたり滑らかにしたり)
・スキャンライン設定(ブラウン管の走査線エフェクト)
・アスペクト設定
・スクリーンサイズ設定
・オーバースキャン設定
・リフレッシュレートの設定(50Hz/60Hz)

・サウンドエフェクト設定
・低音強調
・高音強調
・GUIでのサウンドエフェクト設定
・ボリューム設定

等々、とにかく自由度が高いです。
しかし欲を言えば実機のビデオ出力の癖をエミュレーションできたら(MDでは滲んだり、GBCでは薄めに発色したり)尚良かったです。


さいごに&入手先

レトロなゲームは実機で遊ぶのが理想だとは思いますが、最近はディスプレイのアナログビデオ入力端子も少なくなってきています。
これに対応してアナログ→デジタルのコンバーターを挟むと、残念な画質になる上に遅延の問題も発生してしまいます。

こういった現状でも実機のROMカセットと実機のコントローラーでHDMI出力で快適に遊べる点(ステートセーブやクロックアップも使える)は大きいです。

ハードウェアはチープな感じで良くも悪くも価格相当でした。スロットも渋いのが気になります。
ただソフトの設定が非常に柔軟で細部まで凝った作りになっていて、ゲーム好きな人が開発しているんだろうなと思わせる製品でした。
ゲーム関連ハードウェア界はハズレも多いですが、RETRON5は買って良かったです。

RETRON5を開発したHyperkinはポータブルなSFCプレーヤー(SupaBoy)等々を開発販売している面白い会社で、今後の製品も期待できそうです。
もう少し知名度が上がって国内での入手性が上がってくれれば嬉しいです。

さてRETRON5の入手先ですが、米国Amazonでは早速売り切れてしまいました。元々は$99.99の製品なのですが、$224.99ぐらいに高騰しています(Black版、2014/06/15現在)。

ただ国内のAmazonでも適正な価格で旧機種のRETRON 3を取り扱っている輸入業者があるので、もうそろそろRETRON 5も買えるようになると思います。

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